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大転換の波にさらされる医療業界
看護業界の現状に注目
これまで看護師の職場は病院が一般的でしたが、社会の変化に応じて看護師の活躍の場も拡大しています。高齢化社会の今は在宅医療の要となる訪問看護ステーションや介護施設で働く看護師も増えています。
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これから先、看護師はどうなっていくのか
変化する看護市場
様々な理由で在宅医療が推進されていますが、在宅医療は最低限の準備の中で処置するため軽症にしか対応できません。重症患者は病院に運ばれるため、病院勤務の看護師は今以上に激務になることでしょう。
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未来を見据えたキャリア構築を
4つのキャリアパス
転換期を迎えている今だからこそ、将来についてしっかりと考えておくべきです。ただし、漠然と考えても意味はありません。目標達成に向けて具体的なスケジュールを立てた方が行動しやすくなります。
AIの台頭で求められる役割も多様に
AIの進化が大きな影響を与えている
高齢者が増えることによってケアを受ける人の層も厚くなるため、看護師1人ひとりにかかる負担はますます重くなることでしょう。そのような状況を打破するために、AIによる医療現場の効率化が図られています。医療現場ではベッドからスムーズに移動できるようにサポートする介護ロボットや医師が遠隔で手術できるようにサポートする手術支援ロボットなどがすでに導入され、医師や看護師の負担軽減に役立っています。
今はまだ導入例がそれほど多くありませんが、AI技術の進化には目を見張るものがあります。今後ますます進化し近い将来、新たなAIが導入されることでしょう。もしかしたら、患者の毎日の検温や検査を看護師の代わりに担うようになる未来が訪れるかもしれません。そうなると少しではありますが負担が軽減されるため、看護師は余裕を持って患者をケアできます。
AIは在宅医療でも役に立つ
在宅医療を選択する高齢者が増えていますが、その中には1人暮らしの高齢者も少なくありません。1人で自由気ままに過ごしているかもしれませんが、万が一の心配は拭えません。ですが、AIを導入することで常に高齢者に目を向けることができます。何かあったときに医師や看護師に直接通知がいくように設定していればすぐに駆け付けて適切に処置することが可能です。高齢者も周囲の人も安心して暮らせるようになります。
看護師本来の役割が発揮できる
雑務や煩雑な事務処理をAIが代行できれば、看護師は患者のためにもっと多くの時間を費やすことができます。患者に寄り添いながら支える、看護師本来の役割を果たすことができるのです。例えば、終末期で何も食べられない患者のためにアロマを焚いたり、身体を温めたりしながらリラックスさせて「食べたい」という気持ちを引き出したり、限られた時間を悔いなく過ごしたい患者のために痛みや苦しみが緩和するようにサポートする、といったこともできます。これは看護師が直接患者と接して、身体の固さやむくみの状態、熱感を見ることによって状況を適宜確認しているからできることです。
1人ひとり状態は違いますし、正しいマニュアルもないため、患者の望みを読み取り的確な判断を下すことはAIにはできません。患者を様々な角度で確認し状況を推察するのは看護師にしかできないでしょう。膨大なデータをAIに取り込みパターン化することはできるかもしれませんが、看護師と同じ領域に到達するのは現段階では難しいでしょう。AIを上手く活用して看護師業務を分業化し、看護師にしかできない業務に専念する形がこれからの看護業界の理想なのかもしれません。