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大転換の波にさらされる医療業界
看護業界の現状に注目
これまで看護師の職場は病院が一般的でしたが、社会の変化に応じて看護師の活躍の場も拡大しています。高齢化社会の今は在宅医療の要となる訪問看護ステーションや介護施設で働く看護師も増えています。
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これから先、看護師はどうなっていくのか
変化する看護市場
様々な理由で在宅医療が推進されていますが、在宅医療は最低限の準備の中で処置するため軽症にしか対応できません。重症患者は病院に運ばれるため、病院勤務の看護師は今以上に激務になることでしょう。
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未来を見据えたキャリア構築を
4つのキャリアパス
転換期を迎えている今だからこそ、将来についてしっかりと考えておくべきです。ただし、漠然と考えても意味はありません。目標達成に向けて具体的なスケジュールを立てた方が行動しやすくなります。
変化する看護市場
少子高齢化が看護業界のあり方を変える
高齢者が増えると在宅医療や終末期医療も増えます。看護師が活躍できる場が拡大するためメリットが多いように思いますが、待遇面などの格差が広がる可能性もあります。これまで治療は病院などの医療施設で行うのが一般的でしたが、在宅医療を望む高齢者が多いこともあり、訪問看護ステーションは毎年多くの数が開設されています。それでもまだ需要に追い付いていないため、独立して訪問看護ステーションを立ち上げたい看護師にとっては追い風になるでしょう。
訪問看護ステーションは病院勤務とは違って夜勤などがないため、待遇面が劣るといわれていました。ですが、訪問件数によって給料が上乗せされますし、管理者になればもっとアップします。病院勤務の看護師と訪問看護師の給料格差はほとんどなくなりました。ですが、人手不足ということもあり、魅力的な条件を提示して人材を確保しようとする訪問看護ステーションも多いため、職場によっては病院勤務よりも多くの給料を手にする可能性があります。このように勤務先によって待遇や条件に格差が生じるため、訪問看護師に転職を考えているのであれば、どの訪問看護ステーションに所属するのかをしっかりと考えなければなりません。
病院勤務の看護師はスキルアップを目指そう
看護師は「手に職」の仕事です。需要が高く安定しているため人気がありますが、変化する看護市場の中で活躍するためには資格を取得してスキルアップを目指すといいでしょう。在宅医療が増えていますが、そこでできるのは簡単な処置だけです。難しい処置を必要とする患者は病院に運ばれるので、高度な知識と技術がなければ適切に対応することはできません。そのため、病院では特定行為を修了した看護師が重宝される傾向があります。
看護師の特定行為とは?
2015年にスタートした「特定行為に係る看護師の研修制度」は特定行為研修を修了した看護師が、「特定行為」と定められた38の行為について、医師の具体的な指示を待たず自分で判断して処置を実施できるものです。看護師の業務上の判断の幅が広がったことで、タイムリーな処置ができるようになりました。
すべての特定行為は医師の包括的な指示の下で手順書に沿って実施します。手順書には患者の病状の範囲と特定行為の内容、指導医への報告・連絡の方法が記載されています。かねてより現場の状況に応じて看護師が行ってきた行為が38の特定行為の中に多く含まれていますが、「医師の具体的な指示を求めずに看護師の判断で実施できる」というのは大きなポイントです。
特定行為は一歩間違うと危険な事態を招く可能性があります。医療事故を避けるためには能力のある看護師が担当すべきです。特定行為研修はそういったスキルがある看護師を後押しするために整備された制度でもあります。